仮定法過去完了
仮定法過去完了とは
仮定法過去完了とは、過去に起こらなかった出来事や、もし過去の状況が異なっていたらどうなっていたかという仮想の状況を表す文法形式です。
仮定法過去完了では、「もし~だったら、~だっただろうに」という意味を表現する際に使います。
現実には起こらなかったことに対する後悔や反省を含むことが多いです。
仮定法過去完了は、昔と違った状態を想像して、違う結果を想像するイメージです。
こちらも日常英会話でよく使用しますのでしっかりと覚えましょう。(*^-^*)
仮定法過去完了の構造
「If」を伴う条件節(昔もし~なら)と結果節(~してただろう)の組み合わせの形で、「昔もし~なら昔~しだったろう」と過去の事実と反する事を想像しそこに願望を加えた表現をします。
【If +主語1+had+動詞の過去分詞】【 主語2+would/could/might+have+動詞の過去分詞】
この構造では、if 節で過去完了形(had + 過去分詞)が使われ、主節で助動詞(would, could, might)の過去形と現在完了形(have + 過去分詞)が使われます。
仮定法過去完了で使われる動詞
仮定法過去完了では、過去分詞形の動詞が使われます。代表的な動詞には次のようなものがあります。
give(与える)buy(買う)make(作る)see(見る)like(好き)eat(食べる)know(知っている)read(読む)find(見つける)send(送る)
これらの動詞の過去分詞形は、それぞれ given, bought, made, seen, liked, eaten, known, read, found, sent になります。
仮定法過去完了の使用例と解説
If I had studied harder, I would have passed the exam.
--- もしもっと一生懸命勉強していたら、試験に合格していただろうに。
♠「If I had studied(もし私が勉強していたなら)」が仮定の部分で、実際には勉強しなかったことを示します。「I would have passed(合格していただろう)」は、仮定が現実になっていた場合の結果を表しています。
If he had left earlier, he could have caught the train.
--- もし彼がもっと早く出発していたら、列車に間に合ったかもしれない。
♠「If he had left earlier(もし彼がもっと早く出発していたなら)」が仮定の部分で、実際には遅れて出発したことを示します。「he could have caught the train(彼は列車に間に合ったかもしれない)」は、仮定の結果として可能性を表しています。
If they had invited us, we might have attended the party.
--- もし彼らが私たちを招待していたら、パーティーに参加していたかもしれない。
♠「If they had invited us(もし彼らが私たちを招待していたなら)」が仮定で、現実には招待されなかったことを示します。「we might have attended the party(私たちはパーティーに参加していたかもしれない)」は、招待された場合の可能性を示しています。
If I had gone to the other party at that time, we would not have met forever.
---もしあの時に僕が違うパーティーに行っていたら、僕たちは永遠に出会う事は無かったね。
♠いいですね。(^^♪
恋人同士なら最高にロマンティックです。
こんな会話の後はきっと素敵な時間が待っているんでしょうね。
If I had given you a piece of good advice earlier, you would not have had a hard time.
---もし私が良いアドバイスを早目に言っていれば、あなたにあんなに苦労させなかったのに。
♠経験を積んだ人の忠告はよく聞きましょう!
過去形の文と仮定法過去完了の違い
過去形の文は、実際に起こった出来事を述べるのに対し、仮定法過去完了は、過去に起こらなかった仮定の状況を表現します。
過去形では事実を述べますが、仮定法過去完了では事実に反する仮定を述べます。
例文
I passed the exam.
---私は試験に合格しました。
これは事実です。
If I had studied harder, I would have passed the exam.
---もしもっと勉強していたら、試験に合格していただろうに。
これは事実に反する仮定です。
仮定法過去完了の特徴
仮定法過去完了の特徴は、過去に焦点を当てて、実際には起こらなかった出来事について述べる点にあります。
これはしばしば後悔や、別の選択をしていた場合の結果を考える際に使われます。
主節には過去完了形が使われ、助動詞の過去形(would, could, might)が使われることが特徴です。
仮定法過去完了のポイント
過去の仮定
実際に起こらなかったことに対する仮定を表す。
構造
if 節で「had + 過去分詞」、主節で「would/could/might/should + have + 過去分詞」を使う。
使い方
後悔や別の可能性について話すときに頻繁に使われる。
否定形
「If I had not done...」の形で、否定の仮定も可能です。
「wish」を使った仮定法過去完了の構造
仮定法過去完了もwishが後続節にhad+動詞の完了形(過去完了)の節をとり過去における事実の反対を願望として現します。
主語1+wish(es)+【主語2+had+動詞の完了形・・・】
(過去のあの時が~だったら良かったのになぁ~)のような状態を表現できます。
仮定法過去完了の構造は以下のようになります。
主語1+wish(es)+【主語2+had+動詞の過去分詞】
この構造では、wishを用いて現実に反する過去の出来事や状態を願ったり、後悔したりします。
if節は使わずに、wishとともに仮定法過去完了を使う形です。
使用例と解説
I wish I had studied harder.
--- もっと一生懸命勉強していたらよかったのに。
♠「I wish(私は~だったらよかったのに)」が願望の部分で、過去に対しての後悔を表しています。
「I had studied harder(私はもっと一生懸命勉強していた)」は、現実にはそうしなかったことを意味しています。
She wishes she had gone to the party.
--- 彼女はパーティーに行っていればよかったのにと思っている。
♠「She wishes(彼女は~だったらよかったのに)」が彼女の願望や後悔を表し、「she had gone to the party(彼女がパーティーに行った)」は現実に反する仮定です。
実際には彼女はパーティーに行っていません。
They wish they had met you earlier.
--- 彼らはもっと早くあなたに会っていればよかったのにと思っています。
♠「They wish(彼らは~だったらよかったのに)」が願望を示し、「they had met you earlier(もっと早くあなたに会った)」は過去の状況に反する仮定を示しています。
I wish I had studied English much harder.
---もっと英語の勉強を昔しっかりやっておけばなぁ~
♠過去に英語の勉強をしっかりしていれば今苦労しなくて済んだのに、又はだから今英語が話せない、などの感情が表現できます。
I wish I had quit smoking before I got sick.
---病気になる前にタバコを止めておけば良かったなぁ~
♠過去に病気になる前にタバコを止めなかったから、それが原因で病気になったわけですね。
参考
上記の文は「stop」を使用できるのですが、「stop」と「quit」は継続してきたことをやめる点では同じですが、再開する可能性の有無が異なります。
「stop」はいったんやめるものの再開する可能性があるのに対し、「quit」は完全にやめて再開する可能性がないという表現になります。(^^♪
「quit」の過去分詞は、通常アメリカ英語では、 " quit-quit-quit " と同型を用いますが、イギリスでは " quit - quitted - quitted "となります。
仮定法過去完了の特徴
仮定法過去完了における「wish」を使った文の特徴は、過去の事実に反する願望や後悔を表現することです。
現実にはそうでなかった過去の状況について「~だったらよかったのに」といったニュアンスを強く持ちます。
この文型では主語1が「wish」という動詞を使い、主語2に対して「had + 過去分詞」の形で過去の仮定を述べます。
仮定法過去完了のポイント
過去に対する後悔や願望
wishを用いて、過去に対して「~だったらよかったのに」といった後悔を表現します。
構造
主語1が「wish」を使い、主語2に対して「had + 過去分詞」を使って過去の出来事を仮定します。
現実と反する内容: 実際には起こらなかった過去の状況に対する仮定を述べます。したがって、現実とは反する内容です。
感情を伴う表現
wishを使うことで、強い感情的な要素(後悔、願望)が含まれます。
「should」を使用した仮定法過去完了
仮定法過去完了で「should」を使う場合、「~すべきだったのに」という後悔や、過去に起こるべきだった出来事を表現します。
基本的な構造は以下の通りです。
should + have + 過去分詞
「should + have + 過去分詞」も仮定法過去完了の一種で、特に過去の行動に対する後悔や期待に反する状況を表す際に使われます。
「should」は義務や期待を示すため、通常の「would」などの助動詞とは異なる使われ方をしますが、仮定法過去完了の表現の一つです。
仮定法過去では「should」はあまり使用されませんが、仮定法過去完了では「should」を利用する事が出来ます。
ではどこが違うのでしょう?
これには、仮定法過去と仮定法過去完了の違いを理解することが重要です。
それぞれの文法的役割が異なるため、助動詞「should」の使い方も変わります。
1. 仮定法過去
仮定法過去では、「現在または未来の非現実的な仮定」について話す際に使用されます。
この場合、助動詞の「would」「could」「might」が一般的に使用され、「should」は通常あまり使われません。
例:
If I were rich, I would travel the world.
---もし私が金持ちだったら、世界中を旅するだろう。
ここでは、「現在の非現実的な仮定」を表しています。
この文脈で「should」を使うことはあまりありません。
2. 仮定法過去完了
一方、仮定法過去完了は、「過去の非現実的な仮定」を表します。
つまり、過去に実際には起こらなかったことを仮定して話す時に使用されます。
この場合、助動詞「should」を使って「~すべきだったのに」という意味を強調することができます。
例:
You should have called me.
---あなたは私に電話すべきだったのに。
ここでは、過去における期待や後悔を表現しており、「should」を使うことが適切です。
一般的な仮定法過去完了の多くの教科書の説明で「should」を含めないのは、仮定法過去完了の典型的な構造(if + 主語 + had + 過去分詞, 主語 + would/could/might + have + 過去分詞)を紹介することを重視したためです。
この構造は、仮定法過去完了の基本形であり、過去の仮定や後悔を表現する際の最も一般的な形です。
ただし、「should + have + 過去分詞」も仮定法過去完了の一種で、特に過去の行動に対する後悔や期待に反する状況を表す際に使われます。
「should」は義務や期待を示すため、通常の「would」などの助動詞とは異なる使われ方をしますが、仮定法過去完了の表現の一つです。
要するに、「should」は仮定法過去完了のバリエーションの一部として使われるもので、最初に説明した典型的な「if」を使った構造と併せて、具体的な後悔や指摘を表す場面で重要な役割を果たします。
違いのまとめ
仮定法過去は「現在または未来の非現実的な仮定」について述べる際に使用され、「should」は通常使われません。
代わりに「would」や「could」が使われます。
仮定法過去完了は「過去の非現実的な仮定」を表現し、特に後悔や批判を表す場合に「should + have + 過去分詞」がよく使われます。
したがって、仮定法過去において「should」を使わない、仮定法過去完了で「should」を使う場合があるという違いは、これらが異なる文法構造を持っていることに基づいています。
「should」は過去の出来事に対して「~すべきだったのに」という意味で使われ、仮定法過去完了と組み合わせることで、過去に行うべきだった行動や取るべきだった決定に対する後悔や批判を表現するための表現です。
仮定法過去完了での「should」使用例と解説
You should have told me the truth.
--- あなたは本当のことを私に言うべきだったのに。
♠「You should have told(あなたは言うべきだった)」が過去に対する後悔を示し、「the truth(本当のこと)」はその内容です。
実際には言わなかったため、後悔や指摘が含まれています。
I should have studied harder for the exam.
--- 試験のためにもっと勉強すべきだったのに。
♠「I should have studied harder(もっと勉強すべきだった)」は、試験に対する自分の後悔を表します。
実際には十分に勉強しなかったことが現実です。
They should have left earlier.
--- 彼らはもっと早く出発すべきだったのに。
♠「They should have left earlier(もっと早く出発すべきだった)」は、過去に彼らが適切な行動を取らなかったことに対する指摘です。
現実には遅く出発したことを意味しています。
仮定法過去完了での「should」のポイント
1.過去の義務や期待
「should」を使うことで、過去に何かすべきだった、あるいは期待された行動が行われなかったことを表します。
2.構造
主語 + should + have + 動詞の過去分詞で構成され、後悔や批判、アドバイスを含みます。
3.現実とは異なる結果
現実には行われなかったことを示し、理想的には起こってほしかった、または起こるべきだった出来事を述べます。
4.後悔と批判
主に後悔や批判的なニュアンスが含まれるため、感情を伴った表現として使われることが多いです。
助動詞の過去形が持つ感覚
どうして、仮定法には助動詞の過去形が入って来るか考えてみましょう。
過去または現在のことを「仮に~としたら」と想定して、その後に「こうなっただろう」と仮定するのですから、とても断定はできません。
もしかしたら実際は違う結果になったかも知れません。
そんな感覚から断定を避けるために助動詞の過去形を使用して、現在から過去に距離を置いく事で控えめに断定を避けているのです。
would なら(~しただろう)could なら(~できたのに) might なら(~したかもしれない)こんな感覚です。
英語で丁寧な言い方をする時に、助動詞の過去形を使用するのも同じ原理です。
Can I speak
---話していいですか?
♠普段友達との話ならこれでOK。
Could I speak
---話してよろしいでしょうか?
♠丁寧な言い方で、尊敬が入っている。
May I speak
---話してもよいでしょうか?
♠Mayには相手の許しを請うという意味があります。
昔、王様のいた時代には家来が許しを請う時に使用して、王様は、「Yes you may(よろしい。)」となります。
この感覚から、お客様にお手伝いをして良いか尋ねる意味で、「May I help you?(いらっしゃいませ。)」となっています。
Shall I speak
---話しましょうか?
♠お互いに何を話すかよくわかっていて、代表して私が話しましょうかのようなニュアンスになります。
「Shall I help you?(お手伝いしましょうか?)」では、すでに困っている方がそこにいて、私も手伝いましょうかと言う感覚になります。