基本時制
時制は、動詞が表す出来事がいつ起こるかを示すために使用される重要な文法要素です。
英語の時制は大きく分けて「現在形(Present Simple)」、「過去形(Past Simple)」、「未来形(Future Simple)」の3つに分類されます。
それぞれの時制は、異なる状況や意味合いで使い分けられます。
動詞には「be動詞」と「一般動詞」があり、それぞれ現在形、過去形、未来形に変化します。
本稿では、これらの時制と動詞の使い方について、詳しく解説していきます。
現在形 (Present Simple)
現在形は、日常的な習慣、一般的な事実、普遍的な真理を表す際に使います。
また、未来の予定やスケジュールを表す際にも用いられます。動詞は文の主語によって形が変わることがあります。
以下では、be動詞と一般動詞の現在形の使い方について説明します。
be動詞
「be動詞の現在形」は、人称によって変化します。
♠be動詞を短縮形にできます。「原型 / 短縮形」
一人称単数「I」---「I am / I'm」
一人称複数「We」---「We are / We're」
二人称単数・複数「You」---「You are / You're」
三人称単数「He, She, It」---「He is / He's, She is / She's, It is / It's」
三人称複数「They」---「They are / They're」
単数名詞「Tom」---「Tom is / Tom's」
複数名詞「Dogs」---「Dogs are」(※通常は「Dogs're」とは省略しません)
例文
Mt. Fuji is the biggest mountain in Japan.
---富士山は日本一高い山です。
「過去・現在・未来」を通して変わらない不変の事実を表します。
The universe is expanding.
---宇宙は膨張し続けています。
不変の事実を示しています。
She is Japanese.
---彼女は日本人です。
現在の状態や事実を示します。
These kinds of dogs are quiet.
---これらの種類の犬はおとなしいです。
普遍的な事実を表しています。
I am happy.
---私は幸せです。
現在の状態を示します。
They are students.
---彼らは学生です。
現在の状態を示しています。
The sky is blue.
---空は青いです。
不変の事実を示しています。
Be動詞の否定形
Be動詞の後に「not」を加えて否定形を作ります。
♠Be動詞と「not」を短縮形にできます。
短縮形の例
I am --- I am not (短縮形なし)
You are --- You are not / You aren't
He is --- He is not / He isn't
例文
He is not (isn't) a bad man.
---彼は悪い奴じゃない。
They are not (aren't) my friends.
---彼らは私の友達ではありません。
She is not (isn't) tired.
---彼女は疲れていません。
Be動詞の疑問形
Be動詞を主語の前に置くことで疑問形にします。
例
I am --- Am I ...?
You are --- Are you ...?
He is --- Is he ...?
例文
Are you Japanese?
---日本人ですか?
Is she your sister?
---彼女はあなたの妹ですか?
Are they ready?
---彼らは準備ができていますか?
規則動詞
I, you, we, they の場合は、動詞の原形を使用します。
名詞が三人称の単数形の場合には、動詞の後に「s, es,ies」が必要になります。
一人称---「I,we」で自分や自分を含んだ人。
二人称---「you」で相手のこと。
三人称---「he, she,it」など自分と相手以外。
※「they」も三人称になりますが、複数形なので動詞に「s」がつきません。
三人称単数形の「-s, -es, -ies」の付け方
「-s, -sh, -ch, -x, -o」で終わる動詞の場合
動詞の後に「-es」を付けます。
例文
He watches TV every day.
---彼は毎日テレビを見ます。
She pushes the door to clean the air in her room.
---彼女は、部屋の換気のためにドアを押します。
He goes to school.
---彼は学校に行きます。
She fixes the car.
---彼女は車を修理します。
「子音字 + y」で終わる動詞の場合
「y」を「i」に変えて「-es」を付けます。
例文
He studies English.
---彼は英語の勉強をしています。
She tries to change her job as soon as possible.
---彼女はできるだけ早く仕事を変えようとしています。
He flies to New York every month.
---彼は毎月ニューヨークへ飛びます。
規則動詞の変化例
規則動詞の例
I, you, we, they → 動詞の原形を使用。
I play tennis. (私はテニスをします。)
They play tennis. (彼らはテニスをします。)
We visit our grandparents every summer. (私たちは毎年夏に祖父母を訪れます。)
You cook dinner every night. (あなたは毎晩夕食を作ります。)
he, she, it → 動詞に「-s」を付ける。
He plays tennis. (彼はテニスをします。)
She plays tennis. (彼女はテニスをします。)
He reads a book before bed. (彼は寝る前に本を読みます。)
She sings beautifully. (彼女は美しく歌います。)
-ch, -sh, -s, -x, -z で終わる動詞には「-es」を付ける。
She watches TV (彼女はテレビを見ます。)
He washes the car.(彼は車を洗います。)
She teaches math. (彼女は数学を教えます。)
He fixes the bike. (彼は自転車を修理します。)
不規則動詞
「have」は三人称単数の時「has」に変化します。
例文:
He has a good car.
---彼はいい車を持っています。
She has a lot of friends.
---彼女は友達がたくさんいます。
It has a long tail.
---それは長い尾を持っています。
現在形の疑問文
主語によって「do」または「does」(三単現)を主語の前に出し、動詞は原形に変化します。
構造:
Do / Does + 主語 + 動詞の原形
例文:
You like him. --- Do you like him?
---あなたは彼を好きですか?
She likes him. --- Does she like him?
---彼女は彼を好きですか?
They play soccer. --- Do they play soccer?
---彼らはサッカーをしますか?
He goes to school. --- Does he go to school?
---彼は学校に行きますか?
現在形の否定形
主語によって「do not / don't」または「does not / doesn't」(三単現)を使い、動詞は原形になります。
構造:
主語 + does not / doesn't + 動詞の原形
例文:
You like him. --- You don't / do not like him.
---あなたは彼を好きではありません。
She likes him. --- She doesn't like him.
---彼女は彼を好きではありません。
They play soccer. --- They don't play soccer.
---彼らはサッカーをしません。
He goes to school. --- He doesn't go to school.
---彼は学校に行きません。
現在形での表現
例文
一般的な事実:
Water freezes at 0 degrees Celsius.
---水は0度で凍ります。
The moon goes around the Earth.
---月は地球の周りをまわります。
The sun rises in the east.
---太陽は東から昇ります。
Humans need oxygen to survive.
---人間は生きるために酸素が必要です。
習慣的な行動:
I eat breakfast every morning.
---毎朝朝食を食べます。
I play basketball every day.
---毎日バスケをします。
I brush my teeth every morning and night.
---朝晩歯を磨きます。
She drinks coffee every afternoon.
---彼女は毎日午後にコーヒーを飲みます。
He goes jogging every weekend.
---彼は毎週末ジョギングをします。
They visit their parents every month.
---毎月両親を訪れます。
現在の状態:
She loves you.
---あなたを愛しています。
He doesn't like English.
---語が嫌いです。
I am hungry.
---腹が空いています。
They are tired.
---疲れています。
未来の予定:
The train leaves at 8 PM.
---午後8時に出発します。
We have a meeting tomorrow morning.
---朝に会議があります。
She starts her new job next week.
---来週新しい仕事を始めます。
The shop opens at 9 AM.
---は午前9時に開きます。
過去形 (Past Simple)
過去形は、過去の出来事や状態を表す際に使用します。
特定の時間に何が起こったかを説明するために使われ、「yesterday(昨日)」、「last night(昨夜)」、「ten years ago(10年前)」、「at that time(その時)」などの過去を示す表現が付くことがよくあります。
ただし、過去の時間を特定する言葉がない場合でも、文脈から過去の出来事であることが推測されることがあります。
例えば、試験問題では「I ( ) tennis yesterday.」のように、かっこの中に適切な動詞を入れる問題が出題されることがあります。
この場合、「yesterday」という単語が過去を特定しているため、過去形にする必要があります。
また、過去を特定する単語がない場合でも、文脈から過去の出来事であることが読み取れる場合があります。
その場合も、過去形を使う必要があります。例えば、「I ( ) tennis.」という問題では、文脈から過去の行動を指していることが読み取れる場合、過去形を選ぶことが求められます。
Be動詞の過去形
be動詞の過去形は以下のように変化します。
am/is → was
are → were
例文:
I was born in Yamanashi Prefecture.
---私は山梨県で生まれました。
You were tired last night, weren't you?
---昨夜は疲れていただろう?
What were you doing at that time?
---あなたはあの時何をしていましたか?
Be動詞の疑問形
be動詞を主語の前に出すことで疑問形を作ります。
He was --- Was he ...?
You were --- Were you ...?
例文:
Was he a good man when he was young?---彼は若い頃、良い人でしたか?
Were you happy when you went to Hokkaido?---あなたは北海道に行った時、幸せでしたか?
Be動詞の否定形
be動詞の後に「not」を入れて否定形を作ります。
短縮形の例:
was --- was not / wasn't
were --- were not / weren't
例文:
He was not (wasn't) sad when his father passed away.
---彼は父親が亡くなった時、悲しんでいませんでした。
You were not (weren't) my teacher.
---あなたは私の先生ではありませんでした。
一般動詞の過去形
一般動詞の過去形にはいくつかのパターンがあります。
規則動詞
動詞の後ろに「-ed」を付けるタイプ
play → played
talk → talked
ask → asked
語尾が「-e」の場合、「-d」を付けるタイプ
like → liked
live → lived
hope → hoped
語尾が「子音字 + y」の場合、「y」を「i」にして「-ed」を付けるタイプ
study → studied
cry → cried
語尾が「短母音 + 子音字」の場合、子音字を2つ重ねて「-ed」を付けるタイプ
lap → lapped
stop → stopped
plan → planned
規則動詞の使用例
She walked to the store yesterday.
---彼女は昨日、店まで歩きました。
「walk」 は規則動詞なので、過去形は「 walked」 になります。
不規則動詞
不規則動詞は特定のルールに従わずに変化します。
主な不規則動詞を以下に示します。
go → went
teach → taught
write → wrote
come → came
leave → left
変化しない動詞
いくつかの動詞は、過去形でも原形と同じ形を取ります。
cut → cut
put → put
set → set
例文:
I asked him about this plan.
---私はこのプランについて彼に聞きました。
She lived in France ten years ago.
---彼女は10年前にフランスに住んでいました。
I planned to go to a spa yesterday.
---私は昨日温泉に行く計画をしました。
He taught me English.
---彼は私に英語を教えてくれました。
♠この場合には彼が英語を教えてくれた時期はいつなのか分からない。
I cut my finger last night by accident.
---私は昨夜、誤って指を切ってしまいました。
He ate pizza for dinner last night.
---彼は昨晩、夕食にピザを食べました。
They went to the park and played soccer.
---彼らは公園に行ってサッカーをしました。
♠複数の場合でも同じです。
一般動詞の過去形の疑問文
一般動詞の過去形の疑問文は、主語の前に「did」を付けて動詞を原形にします。
構造:
Did + 主語 + 動詞の原形
例文:
Did she go to the station alone?
---彼女は一人で駅に行きましたか?
Did they want to be a teacher?
---彼らは先生になりたかったのですか?
Did you have a chance to go to Tokyo?
---あなたは東京に行く機会がありましたか?
一般動詞の過去形の否定文
一般動詞の過去形の否定文は、「did not / didn't」を使い、動詞は原形にします。
構造:
主語 + did not / didn't + 動詞の原形
例文:
He did not (didn't) go to the park after school.
---彼は放課後、公園に行きませんでした。
You did not (didn't) study hard during the summer vacation.
---あなたは夏休み中、一生懸命勉強しませんでした。
We did not (didn't) go to Kyoto due to the coronavirus.
---私たちはコロナのせいで京都に行きませんでした。
未来形(Future Simple)
未来形は、未来の状態や計画未来の意思などを表す時に使用できます。
未来形にいくつかのパターンが在って大きく分けると下記の3点になります。
「単純未来」「意思未来」「近い未来」
単純未来は、人の意思に関係の無い自然の予想や計画、予定などが入ります。
意思未来は、人の意思が働いた未来に付いて使用します。
近い未来は、その出来事がすぐ未来、今まさに行われるなど表現できます。
単純未来
人の意思に関係なく、起こってしまう未来を現わす事から、「無意志未来」とも言われています。
単純未来の基本形は下記になります。
主語 + 助動詞 ( will, shall ) + 動詞の原形
(Be動詞「is, are, am」の原型は「be」)
「I will. He will, They will, etc.」などは「I'II, He'll, They'll, etc.」と短縮できます。
It will / It'll rain tomorrow.
---明日は雨です。
They will / They'll be able to come to your house tonight.
---今夜彼らは君のところに行けるよ。
She will / She'll be happy to hear about your promotion.
---彼女は君の昇進を聞いたら喜ぶよ。
I will / I'll be Twenty next Sunday.
---次の日曜日で20になるよ。
Coronavirus will soon become a pandemic in China.
---コロナは中国ですぐにパンデミックを起こす。
単純未来の疑問形
助動詞 ( will, shall ) + 主語 + 動詞の原形
Will you go there tomorrow?
---君は明日そこに行きますか?
Will she come to our party tonight?
---彼女は今夜のペーティーにきますか?
Shall we go for a walk?
---一緒に散歩に行きませんか?
Shall I open the door?
---ドアを開けましょうか?
♠未来に関しては現在「will」を使う事がほとんどです。
「shall」は丁寧な言い方で、「話し相手と話者の両方が一緒に行動する時」に使用します。
上記の「Shall I open the door?」は、車いすの人や手に一杯の荷物を持った方のためにドアを開けましょうかと言う時に使います。
映画「Shall we dance」は有名で、「御一緒に踊りませんか?」と素敵が言い方になっています。
「shall」は古い英語で、お姫様が家来から「Shall we」を聞かれて「You may」と答えると「許します。」の意味になります。
古い英語の影響で「You shall~」などの構文は、「あなたは~しなさい。するべき。」と強い表現になります。
「You shall go there.」などは「お前はそこに行きなさい。」と言う感覚になります。
単純未来の否定形
主語 + 助動詞 ( will not / won't ) + 動詞の原形
It will not /won't rain this afternoon.
---午後は雨は降らないよ。
She will not / won't be happy if you will do such a silly thing.
---君がそんなバカげた事をしたら彼女は喜ばない。
They will not / won't get the agreement in this case.
---この件では彼らは合意を得られないね。
意思未来
意思未来は意思、計画や依頼などを言う時に使用します。
主語 + 助動詞 ( will, shall ) + 動詞の原形
主語 + be going to + 動詞の原形
I will / I'll buy this supercar.
---俺このスーパーカーを買うよ。(意思)
I am / I'm going to buy this supercar. (計画)
---私はこのスーパーカーを買う予定です。
♠上記の2文の違いは、「will」はその場で買うと決めた感覚で、「 be going to」ではすでに買う予定で計画していた事になります。
「I am going to」は口語では「I ganna」
He will / He'll help you all the time.
---彼はいつも君を助けてくれるよ。(推量)
I will / I'll never meet you again in my life!
---君とは一生合わない!(意思)
意思未来の疑問文
助動詞 ( will, shall ) + 主語 + 動詞の原形
Will you call me tonight?
---今夜電話くれない?(依頼)
Won't you have some coffee?
---コーヒーを持ってこようか?(勧誘)
♠「Won't you」は「~しませんか」と言う時の定型句です。
「Will not you」とは絶対に言いません。
What will you do next time?
---あなた次は何をするの?(意思)
Will you pick me up at the station at 7:30?
---7時半に駅に迎えに来てくれないか?(依頼)
意思未来の否定文
主語 + 助動詞 ( will not / won't ) + 動詞の原形
She will not / won't drink alcohol.
---彼女はお酒は飲まないよ。(意思)
Her husband will not / won't eat seafood.
---彼女の旦那さんは魚介類を食べないよ。(意思)
I will not / won't go there in the coronavirus epidemic.
---私はコロナ伝染の中そこには行かないよ。
近い未来
「be about to + 動詞の原形」
The concert I wanted to see is about to start.
---見たかったコンサートは今始まる。
Are you about to be done?
---そろそろ終わりそう?
of the sun, to be about to set.
---太陽が沈もうとしている。
「~on the way」
I'm on the way.
---すぐ行きます。
♠口語で良く使用される定型文です。
「I am」とは言いません。
Christmas is on the way.
---クリスマスはすぐそこです。
♠「be just around the corner」も同じ意味で使えます。
Spring is just around the corner.
---春はすぐそこです。
「be 動詞ing」
I am / I'm leaving tomorrow.
---私は明日出ていきます。
I'm coming.
---すぐ行きます。
♠口語の定型文です。呼ばれたらこう答えましょう。
「I am」とは言いません。
「動詞の原形 + 時間」
I arrive at 7.
---7時に着きます。
We start at five this afternoon.
---今日午後5時にスタートします。
これで時制に関する説明は完了です。
時制を良く理解することで、過去/現在/未来の出来事、経験や未来について正確に伝えることができるようになります。
いろんな練習問題を解いて、しっかりと使い方を身につけてください。