現在完了
現在完了とは
現在完了とは、過去のある時点で起こった出来事が現在に何らかの影響を与えている場合に使用する文法形式です。
現在完了は、出来事が現在まで続いているか、その影響がまだ残っている場合に使用されます。
日本語には完全に対応する時制がないため、理解が少し難しいかもしれませんが、主に「〜したことがある」「〜してしまった」「〜しているところだ」といった意味を持ちます。
現在完了の構造
現在完了形の文は、次の構造で成り立ちます。
主語 + have/has + 過去分詞
haveは主語が「I, you, we, they」の場合に使われます。
hasは主語が「he, she, it」の場合に使われます。
過去分詞は動詞の3つ目の形(例えば、eat → eaten, go → gone, play → played)です。
現在完了は、次の3つの主要な意味を持ちます。
経験の表現
ある時点から現在までに経験したことを表す場合に使います。具体的な時間は示されませんが、「〜したことがある」といった意味合いです。
継続の表現
過去のある時点で始まったことが現在も続いていることを示します。「〜している」「〜し続けている」と訳されることが多いです。
完了の表現
過去に行われたことがちょうど終わったばかりで、現在に影響を与えている場合に使います。「〜したところだ」といった意味合いです。
経験(~をしたことがある)継続(今まで~し続けている)完了(今~し終わった状態)などの表現ができるのですが、どれにも共通している事は過去からの今現在の状態を最終的には言いたいという事です。
- 経験では過去にあることをしたことがあるので、今現在それは経験となります。
- 継続では過去からしていることを今現在もしているので継続なります。
- 完了では過去にしていた事が今現在完了していることをいっています。
あたりまえの事ばかり言って馬鹿にするな!と言われそうですが、現在完了ではすべて今現在に焦点が置かれている事を忘れてはいけません。
このことを完全に頭で理解していませんと、過去型との区別がつかなくなってしまいます。
何のことか良く分からない方もいるでしょうが、実際にある程度英会話に慣れてきて会話が出来るようになるとこの事の大切さが良く理解できるようになります。
話していて、ここでは過去型なのか現在完了なのか必ず迷う時期が来るからです。
そんな経験をお持ちの方はすでに英会話中級ですね!
現在完了の使用例と解説
I have lived in Tokyo for five years.
--- 私は5年間東京に住んでいます。
「I(私)」が主語で、「have lived(住んでいる)」が現在完了形の動詞です。
「for five years(5年間)」は時間の期間を表しています。
過去に始まった住むという行為が現在まで続いていることを示しています。
She has already finished her homework.
--- 彼女はもう宿題を終えました。
「She(彼女)」が主語で、「has finished(終えた)」が現在完了形の動詞です。
「already(もう)」はすでに完了していることを強調しています。この文では、
過去に宿題を終えたことが現在に影響を与えていることを示しています。
They have been to London twice.
--- 彼らは2回ロンドンに行ったことがあります。
「They(彼ら)」が主語で、「have been(行ったことがある)」が現在完了形の動詞です。
「to London(ロンドンに)」は行き先を示し、「twice(2回)」は回数を表しています。
この文は過去の経験を現在までに何度か持っていることを示しています。
更に詳しく解説
動詞 have には「~を自分のとこに持っている。」という基本的な意味があります。
I have a pen.「私はペンを持っている。」になりますね。
現在完了ではこの have の持っている感覚からその後に続くセンテンスの意味を「今、自分が持ち合わせてるんだ。」となります。
たとえば、I have visited Kyoto. なら私は「visited Kyoto」を自分の経験に今もっていることから、これに微妙な感覚を付け加える副詞(adverb)を付けて just なら「ちょうど京都に行ってきた。」完了。once なら「一度京都に行った事がある」経験などになります。
★ I have just visited Kyoto.
★ I have visited Kyoto once.
I have visited Kyoto once.
---京都に一度行った事があるよ。
♠経験ですね。
この文を過去型にして、I visited Kyoto once. でも文章としては間違いは一つも無いのですが、意味は「私は過去に一度京都に行きました。」小説の中での説明文ならこれがピッタリなのですが、会話では現時完了で経験のスパイスを加味する事によってより自然な滑らかな表現になります。
微妙な差なので、英会話に慣れてきた時に一瞬迷ってしまうのです。
Have you ever seen him before?
--彼に会ったことある?
♠これも経験です。
ここで間違いやすいのが ever の使い方です。
意味を「かつて・今までに」と単純に覚えていてはいけません。
「今までいつでもいいから」が本来の意味で平常文にはとても使えません。
たとえばこの文を、I have ever seen him before. とは言えません。
「私は今までいつでもいいから彼に会ったことがあります。」では何か変な文になってしまいます。
このような文を平気で使っていませんか?
ですのでこの意味では、ever は疑問文・否定文にピッタリでという事が分かります。
また米語ではこの ever の感覚から、Did you ever go to new york? で「ニューヨークに行った事がありますか?」過去型でも経験を加味した表現として使われることがあります。
ちなみに現在完了では、Have you ever been to new york? です。
ついつい日本人は、go を使いたくなりますが have(has) been to で表現します。ここもよく間違えるポイントです。
I have just finished work.
---今ちょうど仕事がおわったよ。
♠完了ですね。
いままで仕事をしていて、まさに今仕事が終わってばかりだという感じがよくでています。
この文を過去型にして、I finished the work.とするとこれは過去に焦点が置かれていて、今現在とは何の関係も無い文になりますので、「その仕事は終わった。」その仕事は去年終わったのかも知れませんし、昨日終わったのかも知れません。
現在完了でしたらこの会話のあと、「それでは、飲みに行きますか?」となるのですが、過去型ですと、「ところで、今は仕事はどうなの?都合が良かったら飲みに行こうよ。」となります。
しかし実際は慣れるまではついついこの過去型で言ってしまうのが、日本人の英語なのです。
It has been rainy last night.
--- ???
♠昨日の晩と完全に過去と特定できる語句と現在完了は、一緒に使えません。
なぜなら現在完了型では今現在に焦点が置かれているのに過去を特定できる語句があったのでは意味がおかしくなるからです。
ですので過去を確定できる曜日などの語句と一緒には使えない事を良く覚えておいて下さい。
この文を意味が通るようにするには、It has been rainy since last night.「昨晩からずっと雨だよ。」にすれば、今現在に繋がる継続として使えるわけです。
Where have I put my key?
---キーどこに置いたかな?
♠もう一度過去との比較を復習しましょう。
上の文を過去型で、 Where did I put my key ? とした場合どう違うのでしょう。
もう分かりますね!
現在完了では今現在もキーが無くて探している感じが出ています。
一方過去型では「そういえば、あのときはキーをどこに置いたんだろう。」と今現在とは関係のない過去の出来事を言っているのです。
現在完了の特徴
現在完了の特徴は、過去の出来事が「現在」と結びついている点にあります。
これは過去形との大きな違いです。
過去形は「過去の出来事」を単に報告するだけですが、現在完了形はその出来事が現在にどのように関わっているかを表します。
また、特定の時間を明示することなく、出来事や状態が現在にどう影響しているのかを強調します。
過去と現在のつながり
現在完了は、過去の出来事と現在との関連を強調します。
過去の具体的な時点を示さない
現在完了形では「yesterday」や「last year」のような具体的な過去の時間を使いません。
「just」「already」「yet」などの副詞を使って時間のニュアンスを表現します。
過去分詞を使う
動詞の過去分詞形を使います。これは不規則動詞の場合、覚えておく必要があります。
現在完了のポイント
現在完了は過去と現在をつなぐ
現在完了では「具体的な過去の時間」を明示しません。
具体的な過去の時間を使う場合は過去形を使用します。
過去の経験や継続の表現に便利
「〜したことがある」「〜しているところだ」という日本語の感覚に近いです。
具体的な時間は使わない
具体的な過去の時点を示す表現とは組み合わせないので注意が必要です。
継続性が重要
現在完了は、出来事が現在まで続いているか、その影響がまだ残っている場合に使用されます。
頻度を示すことがある
「ever(これまでに)」「never(決して)」「yet(まだ)」「already(すでに)」などの副詞がよく使われ、頻度や完了を強調します。
現在完了形は過去の出来事が今にどのように関係しているかを強調するため、英語の会話や文章で非常に重要な役割を果たします。
現在完了とは過去の出来事が今現在どのような状態かを表現したいときに使用します。
過去のことがまだ終わっていなければ継続、ちょうど終わっていれば完了、とっくに終わっていれば結果・経験などになるのです。
ですのでこの基本をしっかり頭に入れてさえおけば、それぞれを別に分けて覚える必要はまったくありません。
とにかく英文法はシンプルに覚える事が役に立ちます。
経験・継続・完了をそれぞれ全く別のものとして分けて説明している本やサイトがありますが、基本は同じですので惑わされないようにしましょう。
たくさん例文があるものが便利と思いがちですが、時間が掛るだけで基本的な部分の理解ができなくなります。