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コロケーション(Collocation)

コロケーション(Collocation)

コロケーション(Collocation)とは

コロケーションという言葉をご存じでしょうか?
コロケーションとは「自然に使われる単語の組み合わせ」を意味します。

特定の単語同士が組み合わさることで自然な表現が生まれ、その組み合わせはネイティブスピーカーにとってしっくりくるものです。
言い換えれば、コロケーションは言葉の「相性」を表すもので、言葉がどのように他の言葉と結びつくかを理解することが、自然な英語表現に繋がります。

たとえば、次のような例を見てみましょう。

heavy rain(大雨):「heavy」と「rain」を組み合わせると「大雨」という自然な表現になりますが、「strong rain」と言うと不自然です。
「strong」という単語は、一般的に「strong coffee(濃いコーヒー)」や「strong smell(強いにおい)」といった形で使われます。

make a decision(決断をする):「make」を使って「決断する」という意味が伝わりますが、「do a decision」という表現は不自然です。
「make」は「make a choice(選択する)」や「make an effort(努力する)」のように意思や行動を表す単語と自然に組み合わさる一方で、「do」は動作そのものを意味する場合が多く、これでは微妙なニュアンスが伝わりません。

コロケーションを学ぶ意義は、単に「単語の組み合わせ」を知るだけに留まりません。
自然なコロケーションを学ぶことによって、英語の表現力が向上し、言語感覚が磨かれていきます。さらに、リスニングやライティングのスキルも向上します。
以下に、さらにいくつかのコロケーションの例を挙げてみましょう。

take a look(見てみる):英語では「take」を使って「look」と組み合わせることが自然です。「have a look」も使われますが、「do a look」とは言いません。

give advice(助言をする):「give」と「advice」の組み合わせは自然で、よく使われますが、「make advice」や「do advice」は不自然です。
一般的に「give」は「give a hand(手助けする)」や「give a warning(警告する)」といった表現でも使われ、相手に何かを「与える」というニュアンスを持ちます。

run a business(事業を運営する):「run」は「走る」という意味だけでなく、「事業を運営する」や「管理する」という意味も持ちます。
したがって、「run a business」は自然な表現ですが、「do a business」や「make a business」という表現は一般的ではありません。

これらの例からもわかるように、コロケーションは文法的に間違いがない表現でも、自然な英語を話すためには避けたほうが良い組み合わせがあります。
コロケーションを意識することで、英語を話す際の「感覚」を身につけ、よりスムーズで自然な表現ができるようになります。

コロケーションは単なる暗記ではなく、英語の「感覚」を養うための重要な要素です。
コロケーションを通じて、英語の自然な響きやニュアンスがわかるようになると、リスニングや会話の理解も深まり、ライティングでは説得力があり、流暢な文章を書くことが可能になります。

日本語でも多くのコロケーションが存在しているおかげで、単語1つ1つに注意を払わなくても相手の話が分かります。
たとえば、「服」と言う単語には、「着る、脱ぐ、買う、貰う、捨てる、きれいな、汚い、安い、高い、赤い」などの動詞や形容詞がすぐに頭に浮かびます。

「言う、食べる、話す」などの言葉は「服」と合いません。
「服を食べる、靴を着る、ズボンを付ける」などは、日本人が聞くと奇妙な日本語になっています。

このようにコロケーションとは、普段からからよく使う言い回しの組み合わせを言います。
下記のように日本人なら誰でも意識しなくて使う定型文です。

靴を履く
眼鏡を掛ける
パンツを穿く
眉をしかめる

コロケーションの種類

コロケーションには、いくつかの種類があります。以下に代表的な例を挙げてみましょう。

形容詞 + 名詞

strong coffee(濃いコーヒー): 「strong」と「coffee」はよく一緒に使われる表現です。
heavy traffic(交通渋滞): 「heavy」と「traffic」は交通量が多いことを表す自然な組み合わせです。
bright future(明るい未来): 「bright」と「future」は将来に対して肯定的な意味を持つ自然な組み合わせです。
quick glance(一瞥): 「quick」と「glance」は「素早く見る」という意味でよく使われます。
deep sleep(深い眠り): 「deep」と「sleep」は自然な組み合わせで、質の良い眠りを表します。

動詞 + 名詞

make a mistake(間違いをする): 「make」と「mistake」はよく使われる組み合わせです。
take a break(休憩を取る): 「take」と「break」は自然な表現です。
give a speech(スピーチをする): 「give」と「speech」は頻繁に使われるコロケーションです。
pay attention(注意を払う): 「pay」と「attention」は集中することを表します。
catch a cold(風邪をひく): 「catch」と「cold」はよく使われる表現です。

名詞 + 名詞

a piece of advice(ひとつの助言): 「piece」と「advice」は自然な組み合わせです。
a burst of energy(突然のエネルギー): 「burst」と「energy」はエネルギーが急に増すことを表します。
a pack of wolves(オオカミの群れ): 「pack」と「wolves」は自然な組み合わせです。
a ray of hope(一筋の希望): 「ray」と「hope」は希望を表す自然なコロケーションです。

動詞 + 副詞

run quickly(速く走る): 「run」と「quickly」は自然に使われるペアです。
speak fluently(流暢に話す): 「speak」と「fluently」は、話す能力を強調する組み合わせです。
drive carefully(注意深く運転する): 「drive」と「carefully」は安全な運転を意味します。
listen attentively(注意深く聞く): 「listen」と「attentively」は集中して聞くことを表します。

形容詞 + 前置詞

afraid of(〜を怖がる): 「afraid」と「of」は恐れを表す自然な組み合わせです。
interested in(〜に興味がある): 「interested」と「in」は興味を持つことを表します。
good at(〜が得意である): 「good」と「at」はスキルや能力を表す際に使われます。
famous for(〜で有名である): 「famous」と「for」はその人や物が何で知られているかを示します。

コロケーションの例

英語でも同じように単語の自然な組み合わせがありますので、それを覚える事で自然な英語が話せて、聞く事ができるようになります。

実際に英語のコロケーションを試してみましょう。
下記の3つに合う単語を探してみます。

  1. (  )house
  2. (  )laundry
  3. (  )rain

①は、buy, rent, sell などが合います。
日本人は家を借りるという日本語から「borrow」を使ってしまいますが、ネイティブがこれを聞きますと家をどこかに持っていってしまうのかとびっくりします。
「borrow」は「物を返すことを前提に一時的に借りる 」と言う意味で「持っていく事」が前提となっています。
これを機会に「Rent,Borrow」の違いをしっかりと把握しておきましょう。

②は、do が良く使われます。
何となく日本語ですと洗濯ものを洗うから「wash laundry」としてしまいます。

③は、heavy,light などが似合います。
日本語の強い雨から連想して、「strong rain」としてしまいます。

下記などは日本語のイメージから間違い安いコロケーションです

○fast food(ファーストフード)
× quick food
○have(eat) (lunchランチを取る)
×take lunch
○hang up the phone (電話を切る)
×cut the phone
○house party(ホームパーティー)
×home party

コロケーション(Collocation)を覚える事で何が変わるか?

コロケーションを知る事で得られるメリットについて考えてみましょう。

自然な文章がすぐに作れる

たとえば「~のせいにする(blame)」と言う単語を覚えた時に、この単語のコロケーションを知りませんと「AをBのせいにする」が分かりません。
何となく日本語の感覚からtoを使用して「Blame A to B」などと考えてしまいます。

「Blame A on B」で「AをBのせいにする」と言うのが定型文で、ネイティブは自然にここにはonを使用します。

「締め切り(deadline)」と言う単語を知っていても、「締め切りに間に合わせる」という事を言いたい時にコロケーションを知りませんと、「catch up the deadline」などと言ってしまいます。
意味は分かって頂けると思いますが、変な英語に聞こえてしまいます。

「締め切りに間に合う(meet the deadline)」を知っていると自然な英会話が出来ます。
ちなみに、「make ends meet 」で「帳尻が合う」と言う意味になります。make ends meet ?と言いますと、それで帳尻合うの?が表現できます。(^^♪

英語が聞きやすくなる

コロケーション(Collocation)を知っていますと、相手が話している英語を一文字づつ確認する必要がありません。
決まり文句を理解できますので、ブロック単位で理解する事で英語が聞きやすくなります。

英文を読む時にも英単語を決まった塊で理解できますので、読む速度も速くなります。
時間が無い時にはななめ読みもできるようになりますので、読解力も抜群に上がります。

コロケーション(Collocation)の学習方法

読書を通じて学ぶ:

英語の本や記事を読むことで、自然なコロケーションに触れることができます。
未知のコロケーションを見つけたらメモを取り、繰り返し練習しましょう。

推奨書籍:

簡単な物語やノンフィクションの本を読むと、日常で使われるコロケーションをたくさん学ぶことができます。
特にヤングアダルト向けの本は、シンプルで理解しやすい表現が多く含まれているためおすすめです。

フレーズブックを活用する:

コロケーションに特化したフレーズブックや辞書を使って、よく使われる表現を学びましょう。

オンライン辞書:

オンラインのコロケーション辞書を使うと、効率的に学べます。
例文も参考にしましょう。
また、発音や使用例も一緒に確認することで、実際にどのように使われるかを理解できます。

英語を話す機会を増やす:

ネイティブスピーカーや英語を話す友達と会話することで、自然な表現を実践的に学ぶことができます。
英会話クラブに参加する: 英会話クラブやオンラインの言語交換プログラムを活用して、コロケーションを使った会話練習をしましょう。
日常会話の中で使うことで、コロケーションの使い方がより身につきます。

シャドーイングを行う:

映画やポッドキャストを聞きながら、そのまま繰り返し声に出して練習する方法です。
ネイティブの表現やコロケーションを身につけるのに効果的です。

おすすめ素材:

映画の短いシーンやポッドキャストのエピソードを繰り返しシャドーイングしましょう。
短いフレーズを何度も繰り返すことで、自然な表現が身につきます。

フラッシュカードを使う:

コロケーションをフラッシュカードにして覚えることで、繰り返し学習がしやすくなります。
定期的に復習して記憶に定着させましょう。

デジタルツールの活用:

アプリを使ってフラッシュカードを作成し、空き時間に学習するのも効果的です。
例えば、クイズ形式でコロケーションを確認することで、楽しく学習を続けることができます。

自分の文章で使ってみる:

学んだコロケーションを使って文章を書いてみましょう。
日記や短いエッセイを書いて、学んだ表現を実際の文脈で使う練習をすると、理解が深まりやすくなります。

ライティング練習:

例えば、「今日の出来事」をテーマに日記を書き、その中でできるだけ多くのコロケーションを使うように意識しましょう。
また、オンラインで英語のライティングを添削してくれるサービスを利用することで、学んだコロケーションの使い方が適切かどうか確認することができます。

分からない英単語が出てきた時に一緒に例文を見て、その英単語を使った代表的な英文をコロケーション(Collocation)として覚えます。
辞書などで英単語を調べた時に、最初に出てくる例文がその英単語を使った代表的は例文である事が多いです。

それでもしっかりとコロケーション(Collocation)を覚えたいと思っている方は、便利なサイトがあります。

OZDIC」です。検索しますとすぐに出てきます。English Collocation Dictionary(英語のコロケーション辞典)です。
このサイトの説明では、
OZDIC英語コロケーション辞典は、言語学習者や使用者が自然な英語を話し、書けるように手助けするために設計されています。
無料で、試験対策にもとても役立ちます。もちろん自然な英語を話したい方には、最高のツールです!!!

OZDIC

先ほど説明した「deadline」を調べてみましょう。
「VERB+DEADLINE(動詞+deadline)」を見ますと、「meet」が使われているのが分かります。

「meet」を使った例文も載っていますね。
It will be a struggle to meet the deadline.
---デッドラインを守るのは大変です。

「PREP.(前置詞)」を見ますと、「~のデッドライン」と言いたい時には、「The deadline of~」ではなくて「The deadline for~」が決まり文句である事も分かります。

Oxford Collocation Dictionary Online for Advanced

 

下記はもし知らない方は覚えておきましょう。

「ADJ.」形容詞Adjective
「VERB」動詞
「PREP.」前置詞 Preposition
「ADV.」副詞Adverb

コロケーション(Collocation)に間違いが無いかを調べる方法

自分で英文を作って、コロケーション(Collocation)に間違いが無いかを調べたい時に皆さんはどうします?

  • 知り合いのネイティブに英文を見てもらって自然な言い回しになっている添削してもらう。
  • オンラインの添削サービスを利用して添削してもらう。
  • オンライン英会話で講師に見てもらう。

などが思い浮かぶと思います。

ですが、どれもすぐにその場で簡単に正解を調べる事ができないのでちょっと不便です。

そんな時に便利なソフトがあリます。
Grammarly(グラマリー)

このソフトは、ネイティブも御用達の定番のソフトで、スペルミス、英文の校正、英文のスタイルなどその場で訂正してくれます。
日本人が漢字が間違っていたり、「てにをは」を間違えるのと同様に、ネイティブはスペルが分からなくなったりうっかりミスをします。

そんな時に、全てを校正してくれますのでネイティブがエッセイなどを書いた後に、このソフトでチェックをしています。
その場で正しい英文を見る事ができたり、自分がミスしやすい部分を確認できますので便利です。

英単語はコロケーション(Collocation)で覚える

・オンライン英会話などで、英語を話す時に講師の話している英語を聞いてよく出てくる言い回しや慣用句が出てきたら塊で覚える。
・ドラマや映画を英語字幕で見て自然な言い方を身に着ける。
・英字新聞などを読んで、慣用的言い方をおぼえる。

オンライン英会話では、フィリッピン講師が多いのでよく調べると前置詞がコロケーション(Collocation)になっていない場合がありますので、やはりネイティブが安心です。
コロケーション(Collocation)に付いて詳しく細部に渡り説明しているサイトがありますが、逆に分からなくなってしまいますので注意しましょう。

コロケーション(Collocation)は、慣用句ですので、毎日の英語の学習の中で意識して自然な英語の言い回しを繰り返し覚えていく事で初めて身に付きます。
楽して短時間で学習できる事ではありませんので、どうしても時間が掛るのは理解しておきましょう。

とにかく英単語を覚える時には単体で覚えるのではなくて、コロケーション(Collocation)を意識して自然な組み合わせも一緒に覚える癖を付ける事が大切です。
コロケーション(Collocation)と言う概念を知っていて英語の学習をするのと、知らないままで勉強するのでは将来大きな差が出てしまいます。

コロケーションを学ぶ重要性

コロケーションを学ぶことは、英語をより自然に話すためにとても大切です。
ネイティブスピーカーはコロケーションを無意識に使っています。

正しいコロケーションを学ぶことで、よりスムーズで分かりやすい英語を話せるようになります。
また、リスニングやリーディングの際も、自然な表現を理解することで、より早く正確に意味を捉えられるようになります。

例えば、「fast food」(ファストフード)という言葉は一般的ですが、「quick food」という言い方はしません。

このような違いを理解することで、英語の使い方がより自然になります。
適切なコロケーションを使うことで、コミュニケーションの質が上がり、英語を話す自信にもつながります。

また、適切なコロケーションを使用することで、相手に伝えたいことを明確にし、誤解を避けることができます。
コロケーションは、英語の単語がどのようにお互いに影響し合っているかを示すものです。

英語を学ぶ際、文法や語彙を覚えることはもちろん大事ですが、コロケーションを覚えることで、より自然で効果的な表現が可能になります。

たとえば、「make money」(お金を稼ぐ)という表現と「earn money」(お金を得る)は似たような意味を持っていますが、微妙なニュアンスや使われる状況が異なります。

このような違いを理解することが、ネイティブスピーカーに近づくための一歩となります。

コロケーションのまとめ

コロケーションは、英語を自然に話し、理解するための重要なポイントです。

単語を単独で覚えるのではなく、どの単語が他の単語とどのように組み合わさるかを学ぶことで、よりネイティブらしい英語を使えるようになります。
実際の例を多く使い、日常の中でコロケーションを意識して学ぶことで、英語力が自然に向上します。

コロケーションを取り入れた学習方法を試しながら、より自信を持って英語を話せるようにしていきましょう。
継続的な学習が、自然な英語力を身につける鍵です。

また、コロケーションを学ぶことで、英語の使い方に対する理解が深まり、コミュニケーション能力が向上します。
特に、ビジネス英語や学術英語でも、適切なコロケーションを使うことで、プロフェッショナルな印象を与えることができます。

英語学習の一環として、コロケーションを積極的に取り入れてみてください。それによって、英語を使う際の自信がつき、より豊かな表現が可能になるでしょう。

-コロケーション, 中学生の英文法
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