Look・See・Watchの違い
日本語の「見る」に該当する代表的な動詞(verb)に Look・See・Watch があります。
この3点は英会話でも頻繁に使用されまた多くの日本人にも知られている超有名な単語です。
しかし使用される頻度が多い分その意味も多彩です。
辞書で調べるととても覚え切れな数の訳が並んでいます。
またこの一つ一つの訳を別々にネイティブが覚えているのかと言えば、そんなわけがありません。
Look はどこまで行っても Look でしかネイティブにはないのです。
実際はそれぞれの単語の持つ基本的な感覚を元に意味の幅を広げているだけなのです。
もちろん実際の会話では、日本人もそうですが一々単語の感覚を考えながらそれぞれの単語を使用するなんて事はしていません。
自然に考えなくても口から出ているのです。
ですが、そんな風に自然に会話ができるまでになる途中段階においては、辞書の中の数え切れない訳を全て覚えるよりは、その単語の基本的は感覚を身に付けた方がはるかに理解も早く、応用も利くようになるのです。
慣用句としてよく使う組み合わせを「コロケーション」と言います。
コロケーションの概念を知っていますと、英会話力がより早く上達します。(^^♪
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Look
「Lookのイメージ」
「Look」は視覚を使って、意識的に何かに目を向ける行為・動作を意味します。
能動的に見ようとする意志が含まれており、何かに集中して視線を向けることを指します。
その対象が見えているのか見えていないのかは分かりません。
「Lookの使用例」
Look!
---ねえ。なあ。それごらん。
♠相手に対して何かに注意を促す時に言います。lookの持つ、視線をある対象に向けさせる感覚がよくでています。
I'm just looking.
---見てるだけです。
♠店員が May I help you.(いらっしゃいませ。)と言った後に答える代表的な表現です。
その商品に顔が向いているだけで、興味はありませんのような感覚です。
Look at that flower.
---あの花をみてごらん。
♠相手に向かって花の方に顔を向けさせる動作を要求しています。
Look at that beautiful sunset.
--- あの美しい夕焼けを見て。
♠ 意識的に夕焼けに目を向ける行為を示しています。
He looked into the box to see what was inside.
--- 彼は箱の中に何が入っているのかを見ました。
♠ 中を調べるために積極的に視線を向けることを示します。
Please look both ways before crossing the street.
--- 道を渡る前に左右を見てください。
♠ 危険を回避するために意識して視線を向ける必要があります。
「Lookの慣用句」
「look after」--- 世話をする
「look forward to」--- 楽しみにする
「look up」--- 調べる
See
「Seeのイメージ」
「See」は無意識に目に入るものを認識することを意味します。
視覚的に何かを「見る」行為が自然に起こり、意識的に見ようとしなくても起こります。
ですからSeeは見えるだけではなくその対象が「分かる」「理解している」の意味でも用いられのです。
「Seeの使用例」
Can you see that flower?
---あの花が見えますか?(分かりますか?)
♠相手にその花が見えていて理解しているのかを確認しています。
I can see a lot of fish swimming in the pond.
---池にたくさんのの種類の魚が泳いでいるのが見えるよ。(分かるよ。)
♠池の魚をしっかり見て理解している様子が伺えます。
I saw him last night.
---昨日の夜、彼を見たよ。(に会ったよ。)
♠昨晩の彼をしっかり見て覚えています。
I saw a shooting star last night.
--- 昨晩流れ星を見ました。
♠ 意図せずに、自然に目に入ったことを示します。
Did you see that bird fly by?
--- 鳥が飛んで行くのを見ましたか?
♠ 視覚的に認識した事実を確認しています。
I can't see without my glasses.
--- 眼鏡がないと何も見えません。
♠ 目に入るものを認識できる状態にあるかどうかを意味します。
「Seeの慣用句」
「see eye to eye」--- 意見が一致する
「see the light」--- 理解する
「see through」--- 見破る
Watch
「Watchのイメージ」
「Watch」は動きや変化をじっくりと観察することを意味します。
集中して注意を払い、時間をかけて視覚的に追うことを強調します。
その対象の変化や動きを注意深く「見ている」そんな感覚で使用されます。
「Watchの使用例」
Watch!
---見てろよ。(いまにわかる)
♠注意深く時間を掛けて観察していなさいという感覚が出ています。
I watched that flower for a while.
---しばらくあの花を見ていました。
♠花を時間を掛けて観察していた。そんな watch の感覚がよく出ています。
I watched the baseball game on TV yesterday.
---昨日テレビで野球を見ました。
♠一般的にテレビを見る時は、watch を使い、映画は see を使います。
映画は深く理解しながら見ているのに対して、テレビは深い理解よりもその中の動きをおもしろ楽しく観察している感があるからです。
I watched the football game on TV.
--- テレビでサッカーの試合を観ました。
♠ 継続的に視覚的な注意を払いながら試合を観察しています。
Watch out for cars when crossing the road.
--- 道を渡る時、車に気をつけて。
♠ 危険に注意を払うために集中して見ることを促しています。
She watched the kids play in the park.
--- 彼女は公園で子供たちが遊ぶのを見ていました。
♠ 子供たちの動きを見守っているニュアンスです。
「Watchの慣用句」
「watch your step」--- 足元に注意する
「watch over」--- 見守る
「watch out」--- 注意する
Look・See・Watchの日常生活での使い方の違い
物理的距離
Look: She looked at the map to find the route.
--- 彼女はルートを見つけるために地図を見た。
♠ 意識的に視線を向けて詳細を確認しています。
See: I saw the map on the wall.
--- 壁に地図があるのを見た。
♠ 偶然目に入ったことを示しています。
動作の継続
Watch: He watched the movie from start to finish.
--- 彼は映画を始めから終わりまで観ました。
♠ 継続的に注意を払いながら観察しています。
See: I saw part of the movie.
--- 映画の一部を見ました。
♠ 映画の一部分を視覚的に認識しています。
人間関係
Look: He looked at her with concern.
--- 彼は心配そうに彼女を見た。
♠ 彼女に対して意識的に目を向けています。
See: He saw her in the park.
--- 彼は公園で彼女を見かけました。
♠ 偶然視覚的に認識したことを表します。
時間の感覚
Watch: Watch the clock so you don't miss the bus.
--- バスを逃さないように時計を見てください。
♠ 継続的に時間を気にしながら見る行為です。
See: I see the clock says 10 AM.
--- 時計が午前10時を示しているのが見えます。
♠ 単に視覚的に時計の表示を認識しています。
練習問題
次の文の空欄に「look」「see」「watch」のいずれかを入れてください。
1. ___ at the board and tell me what you think.
2. I ___ the sunset every evening from my window.
3. Did you ___ the game last night?
4. I ___ her in the crowd but couldn't talk to her.
5. Please ___ out for any danger while hiking.
回答例と解説
1. Look at the board and tell me what you think.
♠ 意識的に視線を向けて意見を求める行為を示しています。
2. I see the sunset every evening from my window.
♠ 毎日自然に目に入って認識していることを示しています。
3. Did you watch the game last night?
♠ 試合を継続的に観察していたかどうかを尋ねています。
4. I saw her in the crowd but couldn't talk to her.
♠ 偶然彼女を視覚的に認識したが、会話はできなかったことを示しています。
5. Please watch out for any danger while hiking.
♠ 継続的に注意を払い、危険を見逃さないようにする行為を示しています。
Look・See・Watchの使い分け
「Look」は意識的に目を向ける行為を指し、詳細に集中して見る場面で使います。
「See」は無意識的に目に入るものを認識することで、特定の意図がない場合に使われます。
「Watch」は動きや変化を注意深く観察する行為を表し、時間をかけてじっくり見る場面で使用されます。
状況に応じて適切に使い分けることが重要です。
ちょっと一言
A: Look!
B: what?
A: Over there. That flower. Can you see it?
B: Yes, I can see. What a beautiful flower that is!
A: Let's watch that flower for a while.
A: 見て!
B: 何?
A: 向こう。あの花。見える?
B: あぁ 分かった。何て綺麗な花なんだろう!
A: しばらく見ていこうよ。
解説
A の look で最初に B の視線を花に向けさせて、さらに方向を示しながら see で見て理解しているのか確認しています。
その後、花に気が付いた B に watch で時間を掛けて観察していこうと提案しています。
ここまででそれぞれの単語の感覚が少し理解できていますと、表現に応用がきくようになります。
たとえば look に前置詞(preposition)を付けてみますと、
Look at
---at には空間・時間の1点を考える感覚がありますので、その1点を見る感じです。
Look over
---over には上から全体を覆う又は上を通り超える感覚がありますので、上から全体的に見る感じからざっと調べるをいう意味になります。
Look for
---for には、何かに対して向かう感覚がありますので、何かに向かって見る感じから探すという意味になります。
このようにlookに前置詞(preposition)の感覚が加わり新しい表現が出来てきます。
単語の基本的な感覚が掴めますと、次に辞書を見た時にも単に意味を暗記するのではなく頭の中で映像として残るようになり、やがては自然に口から出てくるようになるのです。
「見る」には、他にも独特の英語表現があります。
Peep
---のぞき見する。
Glance
---ちらっと見る。
Gaze
---喜び・興味・愛情をもってじっと見る。いいなぁ~と思いながら見る感じです。
Stare
---驚き・軽蔑をもって目を見開いて凝視する。なんなんだこいつは~て感じですね。
Glare
---憎悪・反抗の意をもって見る。このやろう!て感じですね。
♠ ここにある単語は特別なある状態でのみ使用しており look・see・watch のように広くいろいろな意味で使用される事はありません。
一度覚えてしまえばその状況の時だけ使用されるため簡単です。
「見る」を Look・See・Watch だけでなく、これらの単語も使用していけるようになりますと、表現豊かな厚みのある会話をする事ができるようになります。
頑張りましょう!(^^♪